新入社員向け個人情報保護研修

プライバシーマーク取得企業は、全従業者に教育(認識)させることが求められていますので、もちろん新入社員も対象です。

新入社員教育で個人情報保護に関する研修を実施することが必須となりますね。プライバシーマーク取得企業でなくても、すべての企業が対象となっている個人情報保護法は順守しなければなりません。どの企業も新入社員教育で、名刺交換の方法を学ばせると思いますが、名刺交換をする限りは、その名刺は個人情報ですから、取り扱い方を知っておかなければなりません。

というようなことについては、そんなことは百も承知という皆さんがご覧いただいていると思います。問題は、どのように研修を実施するか、何を教えるか、どう教えるか、ですよね。

個人情報保護新入社員教育でこれをしてはいけません

いきなりで申し訳ないですが、「べからず」を先にお伝えしておきます。

  1. 古いコンテンツで研修をしないこと
  2. 間違えた内容を教えないこと
  3. 30分を超える動画講座をだらだらと見せないこと
  4. 事業や業務に関係の薄い内容を含まないこと
  5. 情報漏洩したときの脅しを強調しないこと
  6. どの会社にも同じ内容を提供する外部講師の研修だけで終わらせないこと

1.古いコンテンツで研修をしないこと

ご存じのとおり個人情報保護法もJIS Q 15001も改正が続いています。古い情報をもとにした教材は使ってはいけません。少なくとも、平成29(2017)年に施行された改正個人情報保護法が反映された内容でないといけません。そもそも、各社の社内規程はそれらを反映しているはずですから、それらを齟齬があってはいけないということになります。令和2(2020)年に公布された内容詳細については、一般的には令和3年の新入社員研修にはまだ反映させなくてもよいと思いますが、それも社内規程改定次第ということになります。

2.間違えた内容を教えないこと

意外と多いのがこれです。ネットでどうぞご利用くださいとして無料で提供されているコンテンツを利用するのもよいですが、間違えた内容を使ってはいけません。個人情報保護法が施行されて15年も経つのにまだ間違えた理解をしたままの教育事業者や講師がいます。いきなり「個人を特定する情報が個人情報である」とか、「個人情報とはプライバシー情報である」と冒頭に書いてある資料がWebに掲載されているのをまだ目にします。これらも、古いのがそのままおいてあるのか、今でもそう考えているのか、わかりませんが、少なくとも自社でしっかり監修してから利用することをおススメします。

3.30分を超える動画講座をだらだらと見せないこと

最近の若い人たちは、私たち「昭和の人」とはかなりカルチャーが違います。良い悪いではなくそういうものだと受け入れた上で対応を考えなければなりません。これは個人情報保護教育にかかわらずですが、カルチャーとともに思考方法も違います。これらについては別途お話したいと思いますが、少なくとも、youtube世代は、小さな画面でも動画を見る習慣があり、学びのためのコンテンツもスマホで見ることに全く違和感はありませんが、逆に、面白くなければすぐに次のコンテンツに移動します。見たくないコンテンツを我慢して見続けることはありません。そもそも、動画コンテンツは、よほど興味深くない限りは15~20分が集中力の限界です。という意味では、平成時代でも60分以上の動画コンテンツでは、途中眠たくなったり、他のことを考えたりしていたのではないかと思います。それが令和時代になって、ますますその傾向が強くなっています。動画コンテンツで提供する場合は、30分を超えたものは、しっかり頭に入れてもらえないということになります。それらを提供する場合は、分割することが好ましいことになります。

4.事業や業務に関係の薄い内容を含まないこと

研修は、時間を短くすることが好ましいわけですが、短くして内容が薄くなっては元も子もありません。いかに濃い内容とするかですが、それより、まずは、事業や業務に関係の薄い内容を入れないことです。たとえば、改正個人情報保護法ではEUの一般データ保護規則(GDPR)の影響がありますが、事業や顧客に関して海外との関係が全くない企業は、その内容は必要ありませんし、マイナンバーに関して、個人情報保護的にはとても重要であり、特有の義務などもありますが、これは管理部門の人には重要ですが、一般的にマイナンバーを扱わない営業部門では詳しく知っておく必要はありません。事業や業務に関係の薄い内容をでいる限りそぎ落として内容をシンプルにすることが好ましいです。

5.情報漏洩したときの脅しを強調しないこと

情報漏洩の事例を紹介することはよいことですが、会社の被害や個人の処罰など、ことさらに脅しをしても、まだ業務を経験していない人にとっては効果は低くなります。どころか、腫れ物扱いをしたりなど、必要以上に緊張させてしまいます。最近の若い人はそのあたりも素直な人が多いので注意しなければなりません。

6.どの会社にも同じ内容を提供する外部講師の研修だけで終わらせないこと

どんな素晴らしい内容の研修でも、自社の状況に沿ってなければ意味がありません。基本必ず会社ごとの違う内容が入ってくるはずです。そうでないと効果は低い研修になってしまいます。

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